チベット仏教とマインドフルネス

去年とか一昨年くらいから「マインドフルネス」という言葉を聞くようになりましたよね。

ざっくりとした理解では、過去とか未来とかを考えるのをやめて、今に意識を集中することで余計なストレスから自分を守る現代人に必要なメンタルの健康法というところでしょうか。

NHKでもマインドフルネス瞑想といって紹介されていたりする、怪しい宗教っぽいものではなく、れっきとした方法論です。でも実はこれ、タンカと関係あります。

タンカ自体についての詳しいお話はこちらをご覧ください。

 

www.araam-nepal.com

 

 

今日はタンカによく使われる開運シンボルの「八宝」または「八吉祥文」についてご紹介したいと思います!

   

 

八吉祥文は、下の絵の八つ。真ん中にあるのは八つの中の一つのエンドレスノットです。

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このタンカでは八宝が宝結びを囲んでいます

では、上から時計回りで紹介します。

傘~保護してくれるもの

最近では男性も日傘を指すようになりましたが、太陽の強い光を遮断してくれるよう傘。

傘は、物理的な意味だけでなく、病や私たちを傷つける悪い力、未来、地獄界、餓鬼界、畜生界、人間界、天上界などから受けるありとあらゆる苦難障害から守ってくれる象徴とされています。 

 二匹の金魚~自由になった心

水の中で自由に泳ぎまわる二匹の金魚は、苦悩の海でも勇気を持って恐れることなく、魚が水の中を泳ぐように自由に泳ぐことができるとい う意味も持っています。

もともとは、それぞれ月と太陽の河とされるインドのガンジス河とヤムナー河の2つの河を意味していたそうです。

 

蓮の花~泥沼からの目覚め

仏教といえば蓮のお花くらい敬虔な信仰者でなくても知っているお花ですよね。蓮が泥沼の中から、水の層を通って太陽に向かって咲く姿は、悟りを開くときの姿に似ています。また、蓮の花びらは、わたしたちの心のようです。仏陀の教えによって、至福を手に入れることができ、花開くのです。
白の蓮は精神と心の清らかさを、ピンクの蓮は伝統的な仏陀を、紫の蓮は神秘主義を、赤い蓮は愛と慈悲を、青い蓮は知恵を表しています。 

宝結び~終わりの無い慈悲 

これはエンドレスノット。終わりも無く始まりもない結び目は、連続する無限を意味し永久の繁栄や幸福を願う吉祥紋絡みです。お釈迦様のの智慧、慈悲が無限で、そして私たちの生活の全てに繋がっていることを象徴しています。
実は、この象徴ヒンズー教の世界の維持神ヴィシュヌ(毘沙門天)と美と富の女神ラクシュミ(吉祥天)の象徴でもあります。

法輪(チャクラ)~マインドフルネス

 ダルマチャクラとも呼ばれる法輪は、とそれを支える八本の輻(柱)から構成されています。悟りを開いたお釈迦様が最初説教をしたときに法輪が回されたそうです。

はじめての説教をは「八正道」です。最近よく言われるマインドフルネスは、八正道の一つ「正念」です。

八つの正しい道をちょっとご紹介すると・・・

  • 正見(正しく物事を見る)
  • 正思(正しく考える。つまり色々なものにとらわれず明らかに考える。)
  • 正語(正しく語る。つまり嘘をつかないとか)
  • 正行(正しく修行する)
  • 正命(正しく生きる。つまり清く美しく生活することだと思います。)
  • 正精進(目標や使命を過ぎず怠けず実行する)
  • 正念(正しく念じ邪念を払い常に仏道を心に思いとどめる)
  • 正定(ここまでのことを実践することにより、至り着く正しい精神統一の状態になること)

 ちなみに、ネパールの国教ヒンズー教でも法輪はシンボルです。神様のビシュヌやクリシュナの象徴として扱われます。

法螺貝(コンチ)~幸運の印

チベットやネパールは内陸の国なのに、法螺貝がモチーフになっているのは、なんだか不思議です。ですが、法螺貝はヒンズー教のヴィシュヌ神の大いなる力・権力・威信の象徴とされています。タンカが描くチベット仏教では、”タシ・タギェー”と呼ばれる幸運をもたらすものとされます。

 

日本でも山伏の携える道具として知られる法螺貝。野獣を追い払い魔を退かせるために吹かれたそうです。転じて、「法螺を吹く」は本来悪魔を治める意味と、宗教の法話をするという意味もあるそうです。

 

白い法螺貝は、聖者の光を具現化したものです。右巻きの法螺貝は、教えの奥深く喜びに満ちた音を表し、どこまでも届く仏陀の智慧に例えられます。法螺貝の音によって、弟子たちは無知の眠りから目覚め、すべての人の幸せを成し遂げようとするといわれています。 

宝瓶~神聖なもの

本体は丸く、首は細く、上部には大きな宝石が施されています。仏教では神聖なものを鉢にしまい、水辺や山の近くに埋めました。土と一体化し、豊かさを届けてくれると信じられていたのです。


そこから、健康、 富、繁栄、その他あらゆる良い事が、お釈迦様の叡智とともにとめどなく降り注がれることの象徴とされています。

宝蓋~幸せへの到達

無知を超えた智慧の勝利を象徴するものです。悟りの境地に辿り着くためには、自身の自尊心や欲望、執着を捨てなければなら ないということを人々に思い起こさせるものとされています。

 

以上、どっぷり仏教のお話ではありますが、こういう背景を知って絵を見るのとでは、それまでと違う深い意味が見えて、面白くなりますね。

8 auspicious symbols の 曼荼羅

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